介護医療院の採尿業務でゆらりす®を使う|単施設・スタッフ3名の予備的な使用性評価

目次

介護現場で何を確かめたかったか

おむつを使用する介護施設入所者から採尿する場合、手間がかかるのは検査そのものではありません。介護スタッフは紙コップと手袋を準備し、入所者の体位に合わせて装着位置を調整します。入所者の体動や手の動きによって採尿器具がずれた場合は、位置の調整や再装着が必要です。翌朝までに必要な尿量を回収できず、採尿を翌日以降に持ち越すこともあります。夜勤帯に対象者が重なると、こうした準備や再調整が通常業務に加わります。

当施設での従来のおむつ内採尿法について、試用を担当したKさんは次のように説明しています。

Kさん「紙コップにゴム手袋をかぶせ、おむつの中で尿を受けられる位置に合わせて、排尿を待つという方法で行っています。体動によって紙コップの位置がずれて尿がこぼれてしまうこともあるため、その都度確認しながら対応しています。」

出典:📝紙コップ法から採尿サポートパッドへ。介護医療院で「ゆらりす®︎」を試用した現場スタッフの声

採尿サポートパッドゆらりす®は、おむつの内側に貼って使用し、排尿後に尿を回収する製品です。通常のおむつ交換に近い動作で装着できるため、スタッフが紙コップなどの採尿器具の位置を調整する工程を減らせる可能性がありました。

そこで、ゆらりす®の使用によって、スタッフの装着手順や、入所者の身体に触れて位置を調整する回数がどのように変わるのかを、一つの施設で確認しました。

本記事は、製品を開発している株式会社ゆらりすが、富士山麓病院介護医療院の協力を得て実施した評価をまとめたものです。

評価の概要

項目内容
実施施設富士山麓病院介護医療院(単施設)
実施時期2026年6月
回答者同院の採尿業務でゆらりす®を使用したスタッフ3名
使用対象従来法を使用した入所者10名、ゆらりす®を使用した入所者10名
方法5段階アンケートと、使用後の聞き取り
目的施設内の業務改善に向けた使用性の確認
実施主体株式会社ゆらりす

アンケートは1を否定的評価または負担増、3を変化なし、5を肯定的評価または負担軽減とする5段階です。

業務の負担と使いやすさを扱った評価です。尿検査の精度や医学的な有効性を確かめる臨床試験ではありません。

回答結果

スタッフ3名による平均は、従来法と比べた採尿の手間軽減、装着の簡単さ、入所者の身体的負担が軽減したとの評価が5.0でした。尿回収の簡単さと、皮膚への影響に対する懸念の少なさは4.3、今後の使用意向は4.7でした。

図1 スタッフ負担感アンケート(富士山麓病院介護医療院、スタッフ3名)。太い横線が平均、縦線が平均±1標準偏差。皮膚への影響は逆向きの設問を反転し、すべての項目で高いほど肯定的な評価となるようそろえた。

この結果について、個々の回答と聞き取り内容を併せて解説します。

使いやすかった点

スタッフ3名へのアンケートと聞き取りから、ゆらりす®が提供できた価値は次の3点に整理できます。

1. 装着時間の短縮

おむつへ貼り付けることで装着位置を決めやすくなり、紙コップなどを採尿位置に合わせて調整する工程が減ったとの回答がありました。事前に説明を受けたスタッフは初回から使用でき、別のスタッフも2回目には貼る位置を把握していました。

装着の簡単さは3名全員が5点。入所者への装着では、従来の7〜8分から5分程度となり、1人あたり2〜3分短くなったとの報告がありました。

1人あたり2〜3分の短縮が同条件で50人に再現されると仮定した場合、装着工程だけで100〜150分の短縮に相当します。

2. 採尿成功率の改善につながる変化

従来法では、入所者の体動によって紙コップの位置がずれたり、装着中に入所者が紙コップを外したりして、翌朝までに必要な尿量を回収できないことがありました。今回ゆらりす®を使用した際は、体動のある入所者でも位置ずれや尿漏れは確認されず、従来法で採尿できないことがあった入所者からも尿を回収できたとスタッフは報告しています。

体動による位置ずれと、装着中に外される場面が減ったことが、採尿成功率の改善につながる変化として確認されました。

3. 入所者の違和感低減

スタッフの観察では、ゆらりす®を使用した入所者が製品へ手を伸ばす動作は、従来法より少なくなりました。入所者本人に不快感の有無を尋ねた結果ではありませんが、スタッフは、装着中の違和感が少なかった可能性を示す行動変化と捉えています。

入所者の身体的負担が軽減したとのスタッフ評価は3名全員が5点で、評価期間中に赤みやかぶれは確認されませんでした。

図2 従来法とゆらりすの工程比較

使いにくかった点

装着に関する評価が高かった一方で、尿回収の手順には改善の余地が残りました。

尿回収の簡単さは平均4.3でした。 3名のうち1名は3、つまり従来と変わらないと回答しています。スタッフへの聞き取りでは、尿回収に必要な一連の作業に従来法より30秒ほど長くかかったとの報告がありました。

尿回収に要する手順は、現場の声をもとに改善すべき課題として受け止めています。

図3 装着時間の変化

解釈の注意点

読み違えを避けるため、今回の結果から言える範囲を整理します。

  • 回答者は1施設のスタッフ3名です。他の施設や入所者へそのまま一般化できる結果ではありません。
  • 記事内の時間に関する数値(装着時間が7〜8分から5分程度、1人あたり2〜3分の短縮、尿回収で約30秒増加)は、いずれもスタッフへの聞き取りによる値です。同じ条件で実計測したものではありません。
  • 使用対象は従来法10名、ゆらりす®10名です。ただし、採尿の成否を試行単位で統一して記録していないため、採尿成功率は算出していません。
  • 皮膚トラブルが観察されなかったことは、限られた使用例での観察結果です。皮膚への安全性を示したものではありません。
  • 尿検査の精度、医学的な有効性は今回評価していません。

今回の本試験で分かったこと

富士山麓病院介護医療院で、従来法を使用した入所者10名と、ゆらりす®を使用した入所者10名を対象に評価しました。スタッフ3名の回答と聞き取りから、次の価値が確認されました。

  • 装着時間と調整作業を減らせた。 装着の簡単さは3名全員が5点でした。入所者への装着は従来の7〜8分から5分程度となり、1人あたり2〜3分短くなったとの報告が得られました。
  • 採尿を妨げる位置ずれや取り外しが減った。 体動のある入所者でも位置ずれや尿漏れは確認されず、従来法では採尿できないことがあった入所者からも尿を回収できたと報告されています。
  • 入所者の身体的負担を抑えられた可能性がある。 身体的負担が軽減したとのスタッフ評価は3名全員が5点でした。製品へ手を伸ばす動作は従来法より少なく、評価期間中に赤みやかぶれは確認されませんでした。

また、介護スタッフの今後の使用意欲は平均4.7で、3名全員が継続使用に前向きでした。今回の使用性評価を通して、高い継続使用の意欲が現場から得られました。

図4 検証結果まとめ

この施設での本試験では、ゆらりす®は「装着を早くする」「採尿を安定させる」「入所者の負担を軽くする」という3つの価値で、従来法に代わる実用的な選択肢としてスタッフから評価されました。

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施設名、現在の採尿方法、想定する対象人数、困っている工程を、分かる範囲でご記入ください。

最後に、通常業務のなかで評価にご協力いただいた富士山麓病院介護医療院のみなさまに御礼申し上げます。夜勤帯の業務手順を共有いただいたことで、改善に必要な課題を確認できました。

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この記事を書いた人

看護師・医療安全管理者・ゆらりす広報担当

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