特別養護老人ホームや介護医療院では、健康診断の対象が100人前後にのぼり、採尿を数週間から数か月かけて進めることがあります。自分でトイレへ行ける方の採尿だけでなく、おむつに排尿する方の採尿も必要です。
この場合、採尿は朝だけの仕事ではありません。夜勤帯に紙コップや脱脂綿をおむつ内へ仕込み、翌朝に回収して検査容器へ移す。対象者が多い施設では、この作業が何日も続きます。
負担が大きいのは、排尿を待つ時間そのものではなく、おむつ内の適切な位置へ採尿手段を装着し、尿をこぼさず回収する作業です。この記事では、従来の方法で装着と回収に手間がかかる理由と、採尿サポートパッド「ゆらりす®」がどの部分を変えられるのかを整理します。
おむつに排尿する方の採尿方法
施設では、入居者の状態に合わせて紙コップや脱脂綿などが使われています。一般的な流れは次のとおりです。
| 工程 | 紙コップを使う場合 | 脱脂綿を使う場合 |
| 装着 | 紙コップを採尿位置に合わせ、おむつ内へ固定する | 脱脂綿を採尿位置に置き、必要に応じてラップなどを組み合わせる |
| 排尿後 | 紙コップを取り出す | 尿を含んだ脱脂綿を取り出す |
| 回収 | 紙コップからスピッツへ尿を移す | 脱脂綿を手で紙コップへ絞り、紙コップからスピッツへ移す |
手順だけを見ると単純です。しかし、おむつ内は平らではなく、入居者の体格や姿勢、体動、拘縮の状態も一人ずつ異なります。装着位置がずれると尿を十分に回収できず、もう一度採尿することになります。
負担が集中するのは装着と回収

装着の課題:体動や拘縮で位置を保ちにくい
体動が大きい方では、紙コップや脱脂綿を狙った位置に保つことが難しくなります。拘縮がある方では、体位を支えながら装着するため、複数のスタッフで対応する場合もあります。
特に紙コップは、硬さや縁の当たりが違和感や痛みにつながり、入居者が触ったり外したりすることがあります。装着できても、朝まで同じ位置に保てるとは限りません。
こうした難しさから、対応が経験のあるスタッフへ偏りやすくなります。夜勤帯で対象者が重なると、通常のおむつ交換や巡回に採尿準備が加わります。
回収の課題:尿をこぼさず検査容器へ移す
紙コップの場合は、おむつ内から傾けないように取り出し、尿をスピッツへ移します。脱脂綿の場合は、尿を含んだ綿を紙コップへ絞り、そこからスピッツへ移します。
入居者の姿勢を整えながら作業する場面では、片手でお身体を支え、もう片方の手で採尿物を扱うこともあります。紙コップが傾く、脱脂綿を十分に絞れないといったことが重なると、検査に必要な尿量を回収できません。
採尿に失敗すると、夜勤帯の装着から翌朝の回収までをやり直します。入居者にもスタッフにも、同じ負担がもう一度かかります。
ゆらりす®で変わる装着と回収
ゆらりす®は、おむつに貼り付けて使う採尿サポートパッドです。尿を液体のまま保持する綿製の採尿コアを備え、排尿後にコアを取り出して尿を回収します。
使い方は3段階です。
- ゆらりす®本体をおむつへ貼り、採尿を待つ
- 排尿後、採尿コアを取り出し、絞り袋に入れる
- 容器に尿を絞り出し、尿検査に提出する

従来法から変わる点は、次の3つです。
- 装着が簡単になる 紙コップを採尿位置に合わせて保つ工程がなくなり、おむつへ貼って固定する作業に変わります。装着位置を決めやすくなり、作業時間の短縮が見込めます。
- 位置ずれや取り外しを抑えやすい 硬い紙コップではなく柔らかいパッドを固定するため、体動による位置ずれや、違和感から入居者が触ったり外したりする場面を減らせると考えられます。採尿位置を保ちやすくなることで、採尿の成功にもつながります。
- 回収工程が一つ減る 採尿コアを絞り袋に入れ、袋から直接スピッツへ尿を絞り出します。脱脂綿から紙コップへ集める工程がなくなり、回収時に扱う容器も減ります。
これらは、製品の構造と手順の違いから見込まれる改善点です。装着時間や採尿成功率がどの程度変わるかは、現在、介護施設で検証しています。
導入前に確認したいこと
施設で使用する際は、対象者を一律に決めるのではなく、現在の採尿方法と入居者の状態を確認します。
- おむつに排尿し、自力での採尿が難しい方は何人いるか
- 紙コップや脱脂綿の装着に時間がかかるのはどのような方か
- 体動や拘縮によって採尿が失敗しやすい方はいるか
- 夜勤帯に何人分を準備し、翌朝は誰が回収しているか
- 再採尿はどの程度発生しているか
まずは採尿が難しい方に絞って試すと、従来法との違いを確認しやすくなります。施設内で手順を共有する際は、装着位置、回収方法、皮膚トラブルがあった場合の対応を決めておくことも必要です。
介護施設や介護医療院での試用、導入方法については、株式会社ゆらりすお問い合わせ窓口へご連絡ください。
まとめ
特別養護老人ホームや介護医療院の採尿業務では、夜勤帯の装着と翌朝の回収に負担が集中します。体動や拘縮がある方では紙コップや脱脂綿の位置を保つことが難しく、回収に失敗すると同じ作業をやり直さなければなりません。
ゆらりす®は、紙コップを仕込む代わりにおむつへ貼り、排尿後は採尿コアから絞り袋を使って尿を回収します。装着と回収の手順を揃えやすくし、採尿が難しい方への対応を特定のスタッフの経験だけに頼らない運用を目指す製品です。


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